さまざまな方向に、歯をしっかりと動かせる。矯正装置との併用で、理想の歯並びへと確実に近づけます。
自由度の高い歯の移動が可能になる矯正方法
動かす方向や距離によってアンカースクリューの位置を決めていきますので、より自由度の高い、三次元的な矯正治療が可能になりました。
使用するアンカースクリューについて
ここで使用するアンカースクリューは、直径1.4～2.0ミリ、長さ6～10ミリと、いわゆる「デンタル・インプラント」で使用するものと比べて細く小さいものです。歯科矯正のために作られており、埋入の際にもほとんど痛みはありません。（局所麻酔は必要です）
矯正治療が終了すればスクリューを取り除きます。傷跡が残るようなこともありません。
固定源が動かないから、歯を効率よく動かせます。
ワイヤーの力で歯を動かす“マルチブラケット装置”では、歯列の中に“動かしたい歯”と、固定源と呼ばれる“動かすための支えとなる歯”が必要になります。たとえば突き出た前歯を引っ込めたい時、“動かしたい歯”は前歯、“支えとなる歯”は奥歯です。奥歯がどっしり動かずにいてくれれば、前歯を期待通りに後退させることができます。しかし実際には、奥歯も少し前方に引っ張られるので、十分に前歯を後退させられない様な状況が生じます。つまり、“動かしたい歯”と、 “動かすための支えとなる歯”、のどちらもが動いてしまい、期待通りの歯の動きが得られません。
いっぽうでアンカースクリューは、顎の骨に埋入する“動かない強固な固定源”です。動かしたい歯や歯列を適切な向きに、効率よく引っ張ることができます。
効率よく歯を動かせるということは、より良い治療効果や治療期間の短縮を期待できるということになります。
ご注意いただきたいこと
スクリューの埋入の際には局所麻酔を行います。
スクリューは、顎の骨に埋入します。そのため、局所麻酔が必要になります。埋入にかかる時間は5～10分で、切開は不要ですので出血もほとんどありません。
埋入の直後には鎮静剤を飲んでいただき、その翌日にはほとんど痛みがなくなっています。
指や舌で触り過ぎると脱落の原因になります。
この治療で使用するスクリューは、歯科矯正の際の固定源として開発されたものです。そのため、いわゆる「インプラント治療」で使用するスクリューほど、深く顎の骨と結合しているわけではありません。
指や舌で触ることは、脱落の原因となりますので、注意が必要です。
